- 失業給付を受給するのに必要な条件とは?
- いつからもらえる?
- どれぐらいの期間もらえる?
- 再就職手当とは?
はじめに結論退職して失業期間をおく場合、ハローワークでの手続きが必要。
退職をして失業期間に入ったら、やっておかなくてはいけない手続きがいくつかあります。
そのひとつが、雇用保険と失業給付の手続きです。
すぐに次の会社に入社する場合は、次の会社で雇用保険に加入しますが、あえて失業期間をおくときには、ハローワークでの手続きが必要です。
目次
失業給付を受給するのに必要な条件とは?
会社を辞めても、失業給付がもらえるから生活できるとあてにしている人もいると思いますが、失業給付を受けるには一定の条件と手続きが必要です。
一定の条件は以下の通りです。
- 退職日までの1年間に6か月以上(賃金の支払いの基礎となった日数が1日以上)雇用保険の被保険者であったこと
- 積極的に働く意思と働く能力があり、適職の紹介にいつでも応じられるのに、就職できない「失業状態」にあること
なので、病気やケガ、妊娠、出産などですぐに就職できないときや、家事手伝いや家業に専念する場合、すぐに支給はされません。
受給に必要な手続きの方法
失業給付を受給するには、自分の住所または居所を管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。
申し込みには以下のものが必要です。
- 退職した会社からもらう離職票
- 退職した会社からもらう被保険者証
- 印鑑(認め印でOK)
- 住民票の写し(住所または居所および年齢を確認できる住民票記載事項証明書、免許証などでも可)
- 最近の写真(1枚。タテ3cmヨコ2.5cm程度の正面上半身)
- 本人名義の普通預金通帳
求職の申し込みをすると、安定所から説明会の日時の指定をされます。
説明会では、失業給付の受給方法や認定日などの説明がされ、受給資格者証と失業認定申告書を渡され、認定日の指定を受けます。
失業給付はいつからもらえる?
認定日は日時が指定されるので、必ず出頭しましょう。
指定日に出頭しない場合、給付が受けられなくなることもあるので注意しましょう。もしも、急に出頭できなくなった場合、事前に安定所に連絡を入れます。
その上で、支給開始日は以下のように退職理由によって大きく異なります。
自己都合で退職した場合
自分の部合で退社した場合には、求職の申し込みから7日間、待期期間のあと3ヶ月間の給付制限期間があります。ですが、2020年10月1日以降に自己都合で退職した人は、この給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されました。
この例外を除いて、給付が開始されるのは1週間プラス3か月で、実際に支払われるのは、求職の申し込みから約4か月後です。
会社都合で退職した場合(特定受給資格者)
会社の倒産やリストラなど会社都合で退社した場合、求職の申し込みから7日間の待期期間のあと8日目から支給が開始されます。なので、実際に支払われるのは、求職の申し込みから約1か月後です。
失業給付金はいくらもらえる?
雇用保険の失業給付金の金額は、退職時の年齢・退職前6か月の給料・勤続年数(被保険者であった期間)によって異なります。目安としては、1回分の支給で前職での月収のおよそ5〜8割です。
この給付金は、1日あたりの支給額で計算されます。
年齢によって異なる支給上限額
1日あたりの支給額は、退職までの賞与や特別手当を除く6ヶ月の賃金の合計を180で割り、その金額に応じた給付率に乗じて決められます。ですが、1日あたりの支給額には、年齢によって異なる上限が決められています。
以下は8月2日記事執筆時点での上限額です。
年齢
|
上限額
|
30歳未満 |
6,760円
|
30歳以上45歳未満 |
7,510円
|
45歳以上60歳未満 |
8,265円
|
60歳以上65歳未満 |
7,096円
|
失業給付金はどれぐらいの期間もらえる?
失業給付金の受給期間は、勤続年数と「自分の意志で会社を辞めた人。または定年退職者」か「倒産・解雇などの会社都合で離職せざるを得なかった人」のどちらかで異なります。
順に見ていきましょう。
自己都合での退職の場合の給付日数
自己都合退職をした場合の給付日数は、雇用保険に加入していた期間に応じて長くなり最長で150日です。
被保険者であった期間 /区分 |
1年未満
|
1年以上
5年未満 |
5年以上
10年未満 |
10年以上
20年未満 |
20年以上
|
全年齢 |
―
|
90日
|
120日
|
150日
|
離職前の2年間のうち、雇用保険に加入していた期間が通算12ヶ月以上ない場合、失業保険を受け取ることができないので注意が必要です。
会社都合で退職した場合(特定受給資格者)
会社都合での退職の場合、給付日数は自己都合退職よりも多くなり最長ではほぼ1年の330日受け取ることができます。
被保険者であった期間 /区分 |
1年未満
|
1年以上
5年未満 |
5年以上
10年未満 |
10年以上
20年未満 |
20年以上
|
30歳未満 |
90日
|
90日
|
120日
|
180日
|
―
|
30歳以上35歳未満 |
120日
(90日(※補足2)) |
180日
|
210日
|
240日
|
|
35歳以上45歳未満 |
150日
(90日(※補足2)) |
240日
|
270日
|
||
45歳以上60歳未満 |
180日
|
240日
|
270日
|
330日
|
|
60歳以上65歳未満 |
150日
|
180日
|
210日
|
240日
|
会社都合退職の場合、雇用保険の加入期間だけではなく、退職時の年齢によっても給付日数が異なります。また、離職前の1年間のうち、雇用保険に加入していた期間が6ヶ月以上あれば、失業保険を受け取ることができます。
再就職手当とは?
雇用保険の受給中に再就職先が決まった場合、失業給付はストップします。
そして、以下の条件などをクリアすれば再就職手当が支給されます。
- 所定給付日数が3分の1以上かつ4日以上残っている
- 再就職先で1年間以上雇用されることが確実になっている
また、再就職手当の支給対象となる就業形態以外で就職した場合、就業手当が支給されることがあります。この場合、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり、一定の要件に該当する場合です。
なので、再就職が決まったらハローワークに連絡し、確認しましょう。
ちなみに、会社を辞めた時点ですでに転職先が決まっている場合、転職先の会社に「雇用保険被保険証」を提出するだけでOKです。
最後に
失業保険は、自己都合よりも会社都合のほうが手厚いサポートを受けられるようになっています。
その受け取り期間や条件に大きな違いが出てくるため、自分が自己都合退職なのか会社都合退職なのかは、退職前に確認しておきましょう。
参考
参考基本手当の所定給付日数ハローワーク・インターネットサービス