カスタマーサクセスの用語

職業・職種ノコト

カスタマーサクセスでよく使われる用語と向いている職歴

この記事で分かること
  • 用語を知っていることで、全体の理解につながる
  • コンサル・営業・カスタマーサポート経験者は、経験が活かせる
結論

はじめに結論専門用語と自分の職歴を理解して、希望に合った求人を見つけましょう。

クラウドサービスの発達により、従来に比べてシステムが低コストで開発できるようになったことで、SaaSを扱う企業が爆発的に増加し、一度獲得した顧客の維持に重きを置くビジネスモデルに変化しました。

そんな、顧客の満足度を向上させるカスタマーサクセスが重要視されるようになった背景を踏まえ、カスタマーサクセスでよく使われる用語と、向いている職歴について解説します。

カスタマーサクセスでよく使われる用語

カスタマーサクセスでよく使われる用語について解説します。

他職種では聞きなれない用語が並びますが、これらの言葉の意味を理解することで、カスタマーサクセス全体への理解を深めることにつながります。

SaaS

SaaSとは「Software as a Service」の頭⽂字を取った略称で「サース」と読み、すべての機能をインターネット経由で利用できるソフトウェアの形態を指します。

ユーザーである顧客は、サーバーなどを自社で保有する必要がなく、月額や年額などでサービス提供会社に利用料金を支払うことで、サービスを利用できます。

SaaSの特徴は、インターネットさえあれば場所を選ばずに利用可能・複数ユーザーが同一システムの管理・編集が可能・クラウド上にデータが保存できるといったパッケージ型ソフトウェアでは実現できなかった利便性があります。

サブスクリプション

サブスクリプションとは、企業が顧客に対してサービスを一定期間提供し、その利用料を月額や年額で回収する料金形態です。

略称の「サブスク」と呼ばれることもあります。

サブリクリプションの特徴は、顧客の契約・解約のハードルが低いことが挙げられ、従来の買い切り型とは異なります。

契約期間中は、製品やサービスが継続的にアップデートされユーザーの行動データを取得が可能なので、サービス提供会社はそれらのフィードバックや活用支援を通して顧客と長期的に接点を持ちやすいと言えます。

NPS(ネットプロモータースコア)

NPS(Net Promoter Score)は、顧客ロイヤルティを測る指標として用いられます。

「企業のファンと言えるほど満足している」「解約を考えるほど不満」など、企業に対しての愛着や信頼を数値化したもので、主にアンケート調査でNPSを取得します。

質問の内容は、顧客に「この製品(サービス)をどなたかにおすすめするとして、おすすめの度合いを0〜10の点数でつけてください」という内容です。

その結果が9〜10点であれば「推奨者」。7〜8点であれば「中立者」、6点以下であれば「批判者」と、顧客を3つのセグメントに分類し、その結果をもとに、スコアを改善するための具体的な施策に落とし込みます。

チャーンレート(解約率)

チャーン=解約、レート=割合という意味で、チャーンレートは「解約率」という意味で使われています。

解約はサービスの契約終了・退会に加えて、有料会員から無料会員にダウングレードした場合や、契約アカウント数が減少した場合も解約に含みます。

チャーンレートの計算式

チャーンレートを導き出す計算式は「ある一定の期間中に解約した顧客数÷当初の顧客数×100=チャーンレート率(%)」です。

仮に、直近1ヶ月の解約した顧客数が150で、当初の総顧客数が3,000であった場合、150➗3,000✖️100=5%がチャーンレートとなります。

利益に直結するチャーンレートを下げるため、企業は顧客の解約の予兆を察知しなければなりません。

そこでカスタマーサクセスが、顧客の行動データなどから解約に繋がる行動があった場合に個別フォローをしたり、顧客満足度アンケートの結果から顧客の要望を汲み取って製品やサービスの改善をしたりという方法で解約を防ぎます。

リテンションレート(継続率、定着率)

リテンションは「維持する」「保持する」という意味で、リテンションレートは「顧客を維持する割合」で、継続率や定着率として使われています。

リテンションレートの計算式

リテンションレートの計算式は「一定期間の継続顧客数÷新規顧客数×100=リテンション率(%)」で計算をします。

直近1ヶ月の新規顧客数が200で、翌月も利用を継続した顧客数が160の場合、160➗200✖️100=80となり、リテンション率は80%と表現されます。

リテンションレートが高いほど、顧客を維持できていると考えられます。

高いリテンションレートを実現できると企業の安定した成長につながることから、リテンション率はカスタマーサクセスのKPI(重要業績評価指標)として設定されます。

ハイタッチ

ハイタッチは、大口の顧客に向けて、個別にパーソナライズされた支援方法を指します。

カスタマーサクセスの熟練したスキルと、ある程度の期間が必要な支援であり高コストを要するため、自社の事業戦略上、優先度の高い顧客をアプローチ対象とすることが多いでしょう。

ロータッチ

ロータッチは、ハイタッチの顧客層よりも期待できるLTVが低い顧客を対象にした、イベントやセミナー、一斉メール配信など複数人に向けた支援を指します。

顧客と直接的な接点は持ちますが、ハイタッチのように個別にパーソナライズした支援ではなく、基本的にはテンプレートに沿った対応をします。

テックタッチ

テックタッチは、人が介在せずヘルプページやWebページやコンテンツ、チャットボットなどテクノロジーを用いて接触する支援方法を指します。

ハイタッチ、ロータッチと比べると最も多くの顧客にアプローチできますが、顧客との距離は遠くなります。

LTV(ライフタイムバリュー)

LTV(ライフタイムバリュー)は「Life Time Value」の頭文字をとった略称で、「顧客生涯価値」という意味で用いられます。

LTVは、初回取引だけでなく継続的な取引の利益全体を含めて顧客から生涯に渡って得た利益のことです。

LTVが高い顧客とは、自社製品やサービスを気に入って、長期間に渡って数多く継続して取引をする顧客を指します

企業に対する信頼感や製品への思い入れなどの顧客ロイヤルティが高まることで、関連商品の購入・サービスのグレードアップが見込めます。

ヘルススコア

ヘルススコアとは、顧客が満足に製品やサービスを活用しているかどうかをスコア化したものです。ヘルススコアというその名の通り、その顧客の利用状況が「健康」かどうかを判断します。

ヘルススコアが良好な場合は、継続利用が見込まれ、不調の場合は解約の可能性が高いと判断し、必要に応じた支援を検討する材料になります。

例えば、ヘルススコアをもとに長期間ログインしていない顧客を洗い出し、活用勉強会を行うといった施策を打ち、解約を防ぎます。

カスタマーサクセスの取り組みが適切に機能している場合、ヘルススコアは上昇します。そのため、ヘルススコアはカスタマーサクセスの成果を正しく把握するための指標としても用いられます。

アップセル

アップセルは「より単価の高い製品やサービスを契約・購入してもらうこと」です。

アップセルによって、顧客数を増やすことなく利益を上げられるので、効率の良い営業手法です。

ですが、強引なアップセルの提案は、顧客に『押し売り』のような不快感を与えてしまうので、顧客の興味関心を読み取り、ニーズに合わせて提案する必要があります。

クロスセル

クロスセルは「特定の製品やサービスを契約済みの顧客に対し、関連するサービスを追加で契約・購入してもらうこと」です。

アップセル同様、新規顧客の獲得コストをかけず、既存の顧客単価を上げることで効率良く利益を向上させることができます。

既存顧客向けにお得感のある価格を設定したり、顧客のニーズに合わせた商品の組み合わせを提案したりすることで、クロスセルが期待できます。

CX(カスタマーエクスペリエンス)

カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)は「顧客体験」という意味で、製品やサービスの利用を通じて契約前から利用後までに顧客が体験した体験価値を指します。

金銭的・物質的な価値とは別に、感情的な価値も含まれます。

CXを向上させることで、競合他社との差別化や顧客ロイヤリティの醸成・顧客満足度の向上・ブランドイメージの向上のメリットを得ることができます。

カスタマーサクセスに向いている職歴

カスタマーサクセスは、比較的新しい職種です。

その為、カスタマーサクセス未経験者が応募可能な求人も多いので、以下に向いている職歴の一例とご自身の職歴を見比べながら確認してみましょう。

コンサルティング経験者

カスタマーサクセスの主な役割は「顧客の課題解決」で、コンサルティングの役割も同じ側面を持ちます。

カスタマーサクセスの業務は、製品・サービスを継続的に使ってもらうためのサポートであり、その業務内容には顧客の課題解決をするコンサルティングも含まれています。

そのため、コンサルティングとカスタマーサクセスの業務内容の違いには、あまり差がない部分とも言えます。

ですが、コンサルティングは完全に企業向けであることに対し、カスタマーサクセスはサブスクリプションの内容がBtoCの場合もあり、企業だけでなく個人が顧客の対象となることもあるので、その傾向の違いは頭に入れておきましょう。

営業経験者

営業で培った「コミュニケーション能力」や、「提案力」はカスタマーサクセスでも非常に役立つスキルです。

カスタマーサクセスのアップセルや、クロスセルの提案を通じ「この人から買いたい」と思われることも、営業経験者としてはやりがいにつながることでしょう。

また、カスタマーサクセスにキャリアチェンジすることで、顧客と長期的な関係を築く必要があるため、顧客をより深く理解する姿勢が求められます。

カスタマーサポート経験者

「顧客の課題に向き合う」カスタマーサクセスと同じ目的を持つカスタマーサポートは、比較的キャリアチェンジがしやすい職種と言えます。

カスタマーサポートの業務内容は、顧客からの問い合わせに的確に対応し問題解決に導くことで完結します。

一方、カスタマーサクセスは営業と連携して営業をしたり、マーケティング部門で集めたリードを引き継いだりするなど、他部署との連携が必須になることは頭に入れておきましょう。

最後に

事業のサービス化やサブスクリプション化が進む近年、カスタマーサクセスの重要はこれからも高まるでしょう。

カスタマーサクセスの用語

カスタマーサクセスは、企業の安定した売上に対して重要な役割を担うため、高いスキルが必要とされますが、とても将来性の高い仕事です。

ご自身のキャリアや経歴を生かして、希望に合った求人を見つけましょう。

参考

参考カスタマーサクセス用語集Growwwing

おすすめ求人サイトランキング

求人サイトの絞り込み検索

お気に入り登録

 

この記事の目次へ

いいね