カスタマーサクセスの違い

職業・職種ノコト

カスタマーサポートとカスタマーサクセスの職種による業務の違い

この記事で分かること
  • カスタマーサポートとカスタマーサクセスでは、顧客へのアプローチ方法が異なる
  • カスタマーサポートは、顧客の顕在的な課題を解決する受動的な姿勢
  • カスタマーサクセスは、顧客を成功に導くという能動的な姿勢が求められる
結論

はじめに結論違いを把握した上で、課題にあわせたKPIを設定しましょう。

カスタマーサポートとカスタマーサクセスでは、業務に加えKPI(Key Performance Indicator)「重要業績評価指標」が大きく異なります。

この記事では、その違いについて解説します。

カスタマーサポート

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせに対して対応し、顧客満足度の向上や自社の信頼獲得につなげます。

ここでは、カスタマーサポートの業務内容と、KPIについて説明します。

カスタマーサポートの業務内容

カスタマーサポートは、「サポートセンター」や「問い合わせ窓口」を通じて、顧客の疑問や不満を解決し、顧客満足度の向上や自社の信頼獲得につなげることが目的です。

カスタマーサクセスは、顧客からのアクションの有無を問わず、企業側から能動的に顧客と接点を持ちますが、カスタマーサポートは、製品やサービスに対して疑問や不満が顕在化している顧客からの問い合わせに対応するなど受動的に接点を持ちます。

なので、顧客の要望を瞬時に汲み取って適切な提案をする為、自社の製品やサービスの深い理解と、コミュニケーション能力が重要になります。

カスタマーサポートのKPI

カスタマーサポートのKPIは、以下6つがよく用いられます。

  • 課題解決時間
  • 課題解決率
  • 応答率
  • 一時応答時間
  • 処理時間
  • エスカレーションの回数

この6つのKPIについて、算出方法も交えご紹介します。

課題解決時間

課題解決時間は「顧客が問い合わせをしてから解決までにかかった時間」の合計です。

複数回やりとりがある場合、時間の合計を用いて平均課題解決時間を算出します。

計算式は「解決までの合計時間➗問い合わせ件数=平均解決時間」で算出し、課題解決までの時間は短いに越したことがありません。

長時間の対応は顧客の負担が大きくなり、解約率を高める要因になります。その為、オペレーターの業務効率を高めるといった意味でも大切な指標になります。

課題解決率

課題解決率は、「受け付けた問い合わせが最終的に解決した割合」を%で算出します。

カスタマーサポートでは、問い合わせにはすべて回答することが求められる為、この指標が用いられます。

課題解決率の計算式は「解決した問い合わせ数➗問い合わせ数✖️100=課題解決率(%)」で算出されます。

応答率

応答率は、電話での問い合わせの際に受電した件数に対してオペレーターが応答した件数の割合です。

応答率の計算式は「応対した件数➗入電した件数✖️100=応答率(%)」で算出します。

電話で問い合わせを受ける場合、「放棄呼」と呼ばれ、コールセンターにかけられた電話がオペレーターにつながる前に待ちきれずに電話を切ってしまう。または、コールセンターに電話が集中してシステムが落ちるなどの理由で切断された、応答ができなかった呼び出し数の減少もKPIに含まれます。

一次応答時間

一次応答時間は、顧客からの問い合わせに対して、最初に応答するまでの時間を指します。

一次応答時間の計算式は「最初の応答をするまでの合計時間➗問い合わせ件数=一次応答時間」で算出することができ、迅速かつ丁寧に一次応答することで、顧客に安心感を与えることができます。

処理時間

処理時間は、カスタマーサポート担当者が1つの問い合わせを受けてから対応を終えるまでにかかる時間を指します。

電話応対の場合、通話開始から通話終了までを処理時間として扱います。

処理時間の計算式は「通話時間(オペレーターが顧客と通話している時間の平均)+平均後処理時間(顧客との通話が終わった後の処理時間の平均)=処理時間(平均)」で算出します。

処理時間の短縮は、オペレーターの業務効率の向上につながりますが、処理時間は短いほど良いとは限りません。

これは、処理時間が短いと、顧客に不満が残る対応になったり対応にミスが起きたりする可能性があるためです。

顧客の満足が得られ、担当者のリソースを圧迫しすぎないバランスの良い対応時間を心がけましょう。

エスカレーションの回数

エスカレーションとは、業務上の上位者に判断や指示を仰いだり、対応を要請したりすることを指し、エスカレーション回数はこの回数を指します。

問い合わせを受けた結果、カスタマーサポート担当者が回答できず、エスカレーションが発生した場合、回答までに時間がかかり顧客を待たせてしまうことに繋がります。

その為、できるだけエスカレーションをせずに現場で対応できるような体制を整えることが大切です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、その名の通り顧客を成功に導く為、顧客を支援する活動や職種です。

次に、カスタマーサクセスの業務内容と、KPIについて説明します。

カスタマーサクセスの業務内容

カスタマーサクセスは、「顧客のビジネスの成功」のため、自社の製品やサービスの価値を最大限に引き出せるよう、顧客を支援する活動を行う職種です。

カスタマーサクセスは、自社の製品やサービスの提供を通じて顧客がビジネス上の目的を達成することによって、結果的に自社の収益を上げていくのが目的です。

これらは、顧客が製品を活用するために、企業側から顧客のチームにオンボーディングをするなど受け身ではない能動的なアクションで、顧客が気づいていない潜在的な課題も引き出しながら事業を成功に導きます。

カスタマーサクセスのKPI

カスタマーサクセスのKPIは、顧客が企業との契約開始から終了までの間に、どの程度企業に利益をもたらしたかを示す「LTV(ライフタイムバリュー)」を重視します。

最重要であるとも言える「LTV」に対して、KPIは以下4つがよく用いられます。

  • チャーンレート(解約率)
  • アップセル率・クロスセル率
  • リテンションレート(継続率・定着率)
  • NPS(ネットプロモータースコア)

この4つのKPIについて、算出方法も交えご紹介します。

チャーンレート(解約率)

チャーンレートは「解約率」という意味で使われ、解約はサービスの契約終了・退会はもちろんのこと、有料会員から無料会員になった場合や、契約アカウント数が減少した場合も解約として扱います。

チャーンレートの計算式は「ある一定の期間中に解約した顧客数➗当初の顧客数✖️100=チャーンレート率(%)」で算出されます。

チャーンレートを減少させる施策としては、顧客の行動データなどから解約に繋がる行動を早めに察知してフォローをしたり、ユーザーアンケートなどから顧客の要望を汲み取り自社製品やサービスの改善をしたりといった方法があります。

ferretによれば、一般的なチャーンレートの平均値は5.60 %と言われ、1か月あたり3%以内であれば問題なく、チャーンレートが3%以上の場合は対策を打つべきだと言われています。

アップセル率・クロスセル率

アップセルは「より単価の高い製品やサービスを契約・購入してもらうこと」。クロスセルは「特定の製品やサービスを契約済みの顧客に対し、関連するサービスを追加で契約・購入してもらうこと」を指します。

アップセルのは、複数契約や乗り換え時の割引きや、上位プランのトライアルといった方法が有効で、クロスセルは、関連サービスのレコメンド、新商品の情報提供などが挙げられます。

ですが、むやみなアップセル・クロスセルの提案は、解約リスクを高める要因となるので注意が必要です。

製品やサービスの利用頻度が高い顧客や、機能が多い上位のプランの活用によって更なる事業の成功が見込まれる顧客を見極めて提案することが大切です。

リテンションレート(継続率・定着率)

リテンションレートは、主にSaaS業界では継続率や定着率として使われています。

リテンション率の計算式は「一定の期間終了時の顧客数➗期間開始時の顧客✖️100=リテンション率(%)』です。

この計算式で継続顧客率が導き出され、リテンションレートによって、自社の既存顧客を維持するポテンシャルが数値化されるので、数値が下がった場合迅速にフォローすることができます。

NPS(ネットプロモータースコア)

NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客が企業や製品やサービスに対してどの程度愛着や信頼を持っているかを数値化したものです。

NPSの取得方法は、アンケートで「この製品(サービス)をどなたかにおすすめするとして、おすすめの度合いを0〜10の点数でつけてください」という質問に答えてもらい、9〜10点であれば「推奨者」。7〜8点であれば「中立者」、6点以下であれば「批判者」に顧客を分類します。

この結果を用いて、それぞれの立場の顧客に対してどのようにアクションするか、具体的な施策に落とし込みます。

カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサポートとカスタマーサクセスでは、どちらも「顧客の課題を解決する」という役割は似ていますが、顧客へのアプローチ方法が異なります。

カスタマーサポートは顧客の顕在的な課題を解決する受動的な姿勢で、顧客との関係は単発的な傾向が強くなります。

一方、カスタマーサクセスは、自ら顧客へヒアリングなどのアプローチをし、潜在的な課題の解決を含め顧客を成功に導くという能動的な姿勢が求められ、顧客が課題を解決するまで定期的な支援をするため、顧客と長期的な関係を構築する必要があります。

このように、製品やサービスの使用フェーズや、期待できる顧客のLTVに応じて、それぞれの役割を分担します。

最後に

このように、カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いを把握した上で、課題にあわせたKPIを設定してみることが最善です。

カスタマーサクセスの違い

これらの違いを理解した上で、求められるKPIに準じた動きを行えるようにしましょう。

おすすめ求人サイトランキング

求人サイトの絞り込み検索

お気に入り登録

 

この記事の目次へ

いいね