- 転職を考える時の6つのチェックポイント
- 何がしたいのか?何ができるのか?の整理の方法
- 妥協できる部分とできない部分の考え方
はじめに結論転職を考えている人は、頭の中で考えるだけではなく、考えていることや実際の行動を書き出してみましょう。
転職では、ただやみくもに気になった会社にアタックするのではなく、様々な観点で自分の希望を整理して、目標を設定して、その上で目標に向かって努力する必要があります。
その為、転職時期の他に、少なくとも職種・業種・役職・勤務地・年収・労働時間について、自分の考えをまとめておく必要があります。
この記事では、事前に整理しておくべき6つの内容についての考え方と指針について解説していきます。
目次
希望する職種は決まっているか?
「今の会社は辞めたいが、次に何をしたいかわからない」という人は身近にも結構いますよね。
ですが、希望職種の決定は、転職活動の大前提で、自分がどのような仕事に就きたいのか、早急に決める必要があります。
希望職種の選び方に際しては、主に以下の考え方が基本になると思います。
- 過去に経験したことから選ぶ
- これまで経験はないが、自分がつきたい職種にチャレンジ
の2種類です。
ですが、転職希望者は新卒の時とは異なり、たいていの場合、「即戦力」であることが求められます。とくに、30代後半以上など、働き盛りの年齢以上の場合、全く経験のない職種で採用されるのは一般的ではありません。
その為、転職をする前に、過去のキャリアを振り返り「自分は何ができるのか」「自分にはどのようなスキルがあるのか」をチェックしましょう。
そのうえで、これまでの経験が自分の将来像とつながらないようなら、足りない部分を補う努力をします。
たとえば、これまで営業を担当した人が、どうしても経理業務に従事したいと思うなら、経理の専門学校に通うぐらいの努力は必要です。
希望職種を決めるにあたって最も大切なのは、本人のやりたい職種を選ぶということですが、できる限り自分の経験が多少なりとも生かせる職種を選ぶのが自然です。
たとえば、これまで飛び込み営業を行っていた人なら、その営業経験に企画力をプラスして、志望職種をマーケター とすることが考えられます。
ですが、求人企業側も応募者の潜在能力を評価することがあるので、熱意をもってチャレンジしてもよいでしょう。
希望する業種に求人はあるのか?
次に、考えておかなくてはならないのが希望する業種です。
前述の職種ほどではありませんが、希望する業種でもこれまでのキャリアの中で経験したものから選ぶと有利です。
たとえば、同じ営業でも取り扱う商品が衣料品とパソコンでは、顧客へのアプローチのしかたは全く異なります。
また、同じ業界内での転職なら、商品知識もある程度備わっているので、これまで培った人脈を新しい職場で活かすことも可能です。
ですが、希望する業種で求人があるかどうかが、大きな問題となります。
中途採用の多い業種では、新卒者の人気が薄く、急成長した分野であったりします。それだけに、業界の浮き沈みが激しかく、競争によって遠からず会社の淘汰・整理が進むことも考えられます。
その為、応募する業種を絞る際には、とくに業界の情報や会社情報を綿密に調べる必要があります。
社名や役職にこだわりがないか?
転職を決意しても、今勤めている会社のネームバリューや役職への未練が断ち切れず、転職を諦めてしまうケースもあります。
例えば親戚付き合いや旧友と再会の場面で、大企業に勤めてそれなりの役職に就いていることは誇らしいことかもしれませんが、大企業や有名企業では、一般的に中途採用はそこまで多くありません。
採用する側は、長年大企業に勤めていた人は使いにくいという理由で、採用に二の足を踏む傾向すら昨今みられます。
その為、転職を希望する際は、とりあえず会社の規模や知名度、役職にはこだわらず、これからやりたい仕事に就けるかどうかに焦点を絞って、転職活動を展開することが大切です。
例えば、大企業から中小企業に移るのでせめて部長クラスのポストがほしいなどと要求していては、いつまでたっても転職先はみつかりません。
転職後、人柄のよさや豊富な経験と実績が認められれば、自ずと責任ある立場に立たされます。
勤務地や通勤時間に無理はないか?
コロナ禍により、在宅での勤務形態が普及する今日ですが、在宅でない場合の通勤は毎日のことなので、希望条件として軽視すると後悔します。
通勤時間を気にしていては、条件のよい転職先はみつからないという考え方もありますが、極端な遠距離の通勤では、長続きしないことが多いようです。
もし、遠距離通勤に耐えられそうにないのであれば、その希望条件はしっかり堅持しておきましょう。
毎日通うことになるので、できれば道1時間半程度に抑えたいものですが、人それぞれライフスタイルは異なり、通勤時間を自己啓発などに当てている人もいます。そのようなケースでは、通勤時間を気にする必要はありません。
また、勤務地については、単身赴任や海外赴任の可否も決めておきます。よく家族と話し合って、単身赴任や海外赴任を命じられたときの対応や条件を決めておく必要があります。
年収や月収の減少に耐えられるか?
転職で、応募する側と求人側で最も食い違いが起きやすいのは、年収や月収の収入に対する認識です。
収入は多ければ多いほどよいというのが通常の考え方ですが、実際には、応募者が考える年収より低く見積もられる場合も多いのが事実です。
もちろん、前職よりも高い年収を提示されることもありますが、中高年以上になると、ほとんどは前職よりも年収は下がる場合も多くなります。
これは、高収入が期待できる大企業では、中高年の中途採用が非常に少なく、中高年の転職先は中小企業か外資系企業に限定されてしまうからです。
大企業と中小企業の賃金水準を比べると、依然として大きな格差があります。
転職活動を始めるにあたっては、こうした現実を見据えて目標年収を定めておく必要があります。ですが、この目標年収は本来、自分の「市場価値」を勘案して決めるべきです。
そして年収は基本的に、企業の支払い能力と本人の「稼ぐ力」の接点で決まるとも言えます。
年収の決まり方には、大きく分けて次の4つのパターンがあります。
- 企業の支払い能力から給与水準が決められている
- 本人の能力に応じて賃金・労働条件が決まる
- 仕事のレベルと年収を明示して人材を募集する
- 年収は入社後に決まる
企業の支払い能力から給与水準が決められている
企業としては、求人対象となる職位に対して、「これだけしか払えない」という前提を置き、その条件に合った人を求めるというケースです。
これは、求人広告で掲載されており、一般的に中高年の給与水準は低く設定されています。
本人の能力に応じて賃金・労働条件が決まる
特定の技術や能力を持った人を求めているケースで、本人との面談によって年収が決まります。
企業側は、その人の能力を最大限発揮してもらおうと、好条件を提示してくることも少なくありません。この場合、本人の前職での年収と希望年収をベースに話し合われることが多いようです。
仕事のレベルと年収を明示して人材を募集する
相対的に高い水準の年収が期待できます。
ですが、企業から求められるスキルも高度で、採用されるのは容易なことではありません。
年収は入社後に決まる
入社段階では、本人の適性や実力、人柄などがわからないため、給与水準はかなり低くしておき、一定期間をおいて、実力に見合った給与を提示するというケースです。
将来、役員としての活躍を期待されている幹部候補の採用では、このような方法がとられることがあります。
労働時間の延長や休日出勤は問題ないか?
中小企業の場合、人数が少ないこともあり休日出勤を強いられることは珍しいことではありません。
また、1日の労働時間でも、中小企業のほうが残業が多かったりと労働条件は悪い傾向がみられます。
その為、転職の条件として、休日出勤や残業の可否も決めておかなく必要があります。
ですが、一般的に「残業は一切しない」「休日出勤不可」と頭ごなしに決めてしまっては、なかなか転職先がみつかりにくいこともあるでしょう。
できる限り、企業側の事情に合わせる努力も必要です。
最後に
転職を成功させる秘訣の1つは、「自分を客観視して、比較・評価する」ことだとも言えます。つまり、自分の転職に関するさまざまな情報を、まず文書にするなどして整理しておくのです。
そうすれば、最初に転職を思い立ったときと、実際に転職するときの状況や考え方を比較・評価することができるかるので、是非トライしてみてください。